愛犬がタマネギ、チョコレートで中毒に…ペットに起こりうる身近な危険 症状と中毒量まとめ
ペットと一緒に過ごしていると、つい人間の食べ物を与えてしまいがちですが、中には危険な食べ物があることをご存じですか? 今回のペットドクター相談室は、ワンちゃん、ネコちゃんたちに起こりうる身近な危険「中毒」について、福井県内の獣医師に詳しく教えてもらいました。

【お答えします】福井県獣医師会 開業部会
柴田動物
動物病院(福井県福井市)和木克仁獣医師

◆  ◇  ◆

ワンちゃん・ネコちゃんも家族の一員として、お家の中で人と一緒に過ごすことが当たり前になった現在、人には無害でも動物たちには有害なものを摂取する機会が増えてしまっています。今回は比較的どこのご家庭にあって、でも動物たちには口にすると危険になるモノをいくつかご紹介したいと思います。

【チョコレート】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状や興奮、多尿、高体温など。重症では呼吸困難や膵炎や
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)など。
◆軽度の中毒量(体重1キロ当たり)
ミルクチョコレート   18g
ダークチョコレート    4g
ココアパウダー      1g
ホワイトチョコレート 500g
※重度は軽度の3倍量・致死量は5倍量
※感受性により個体差有り
◆解毒剤
なし

【タマネギ】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状や溶血、血尿、大量摂取で吐血など。重症では黄疸や腎不全など。摂取後48時間以降に症状が発現する。個体差があるので少量でも可能性あり
◆中毒量(体重1キロ当たり)
犬  5?30g
ネコ 体重1kgあたり5g
※感受性により個体差有り
※タマネギ大で1個約250g、小は1個150g
◆解毒剤
なし

【キシリトール】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状や
低血糖による運動失調など。重症では虚脱や発作など
◆中毒量(体重1キロ当たり)
犬 0.1gで低血糖(摂取後30?60分)
  0.5g以上で急性肝障害(摂取後9?72時間)
※感受性により個体差有り
※キシリトールガムの含有量は1個あたり0.3?1.3g
◆解毒剤
なし

【ぶどう】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状などから
急性腎障害や膵炎。生ブドウなら、食べてから数時間?48時間後に症状が発現する
◆中毒量(体重1キロ当たり)
犬 生ブドウ 3?30g
  レーズン 11?30g
※感受性により個体差有り
◆解毒剤
なし

【マカダミアナッツ】
◆症状
後躯麻痺(24時間程度で自然に回復)
◆中毒量
不明

【植物・ユリ(ネコのみ)】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状。摂取後24?72時間後に症状が発現する。その後
急性腎不全
◆中毒量
少量でも(花の一部や茎.葉すべて)
◆解毒剤
なし

【水仙】
◆症状
一般的には嘔吐下痢などの消化器症状。特に球根の部分
◆中毒量
犬で球根1個と言われているが、詳細は不明
◆解毒剤
なし

【もし中毒物質を食べてしまったら…】

中毒物質を摂取してしまった場合は、なるべく早く(吸収しないうちに)吐かせることが大事ですので、動物病院に連絡して指示をあおいでください(一部吐かすことがダメなものもあります)。

私たち人間が美味しく食べている物、鑑賞して綺麗なもの、香りを楽しむものでも、動物たちの身体には脅威になる危険なモノはまだまだたくさんあります。犬は床で生活する動物で、猫は高いところに登る動物という特性も再確認いただいて、生活環境には十分に気をつけて動物たちとの楽しい生活を送ってください。

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 「ペットドクター相談室」は、ペットの悩み事や疑問、不安をネット上で募り、福井県内の獣医師が回答するコーナーです。寄せられた相談は、県内35の動物病院が所属する福井県獣医師会で、小動物の診療に携わる「開業部会」の獣医師が回答します。

福井新聞社

PETLIFE24事務局2023.08.24

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